M47カーゴ【前期/後期】違いを解説|ヴィンテージサイズ比較

M47前後期比較キャッチイラスト アイテム

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現在、人気沸騰中のフレンチカーゴのM-47。仕事でもサンプルとして扱ったりしますが、高騰でお気楽に扱えなくなったので本腰を入れて分析しようと思います。

この記事でわかること
  • カーゴパンツM47の前期/後期の違い。
  • M47前期/後期シルエットの検証。
  • ヴィンテージデッド48本のデータでサイズ比較。
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M47フレンチカーゴとは?前期/後期の違い

M47はシルエットのキレイさは抜群で、カーゴパンツの元祖ともいえるシンプルデザイン。

そのM47にも、大きく分けて前期モデル/後期モデルとあるので少し整理します。

ルーツ

カーゴパンツ カーキ イラスト

1947年に誕生したので型番が「M47

アメリカ軍のM43カーゴパンツの影響を受け、開発されました。

年代的なこともあってかオフィサーパンツのようにストンと落ちるシルエットクリースライン(折り目)がキレイ目な印象で人気です。

シルエットのポイントは内股の落ち方。シワが出ずストンと落ちるのでキレイです。

*スーツ等でもシルエットが崩れているパンツが多い中、ミリタリーで実現しているのがM-47の凄さです。

前期&後期の違い

1947-1960年の間に製造され、その中で大きく分けて前期/後期に分けられます。

大きな違いは「素材」と「シルエット」

M-47前期後期比較画像
M47カーゴ前期後期
年代1947-19601960〜
素材コットンツイルコットンヘリンボーン
フロントトップボタン1〜3個
(裏付け/
メタルもあり)
1個
(2個もあり)
シルエットワイドストレートワイドテーパード

いずれもワイドパンツの部類です。その中で前期のストレートと後期のテーパード(裾に向かい細く)に分かれます。

前期のオリジナル生地は固く厚いので日常で着用するのは気合いが必要で、夏場は厳しいかも。

その生地の迫力が良いところでもあります。

合わせるアイテムもある程度の迫力があったほうが釣り合います。

M47ヴィンテージで前期&後期の違いを知る

カーゴパンツの原型のようなアイテムですが、ディテールも特徴があるので見ていきます。

M47ディテール【前期&後期】共通

【前期/後期】共通で持っているディテールになります

ボタンフライ】
ボタンフライしか存在しないです。

m-47カーゴフロントフライ

【スラッシュポケット】
縫い目を利用した特長的なフロントポケット

M-47スラッシュポケット

カーゴポケット】
比翼仕様。荷物で調整できる二段階のボタン

m-47カーゴポケット

【バックポケット】
表に釦が出ないのは引っかからない配慮のため。

m-47カーゴバックポケット

裾ストラップ】
裾を絞るためのアジャスターストラップ。

m-47カーゴ裾ストラップ

【ヒザパッチ】
生地が二重で補強されています。

Mー47ヒザパッチ

M47ディテール【前期】特徴

黄金サイズは年々価格上昇➡︎大きいサイズもプレミア化。

サイズ表記が独特で2桁目が長さ/1桁目がウエストサイズです。

M47サイズ表記説明画像

デットストック(未使用品)は日本人サイズ(●1/●3)が希少で高騰していますね。

大きめのサイズ(●5〜)ならまだ手に入らなくないですが、日本サイズでいうとXXLくらいです。

オリジナルの合うサイズを探すか、レプリカにするか悩みどころです。

合わないサイズで穿くのは、本来のM-47のシルエットの良さが無くなるので考えますね。

前期型【ツイル素材】
斜めの織りで頑丈な生地です。

M-47前期ツイル地写真

前期型【ボタン】
1〜3個、写真のような裏付けも多いです。
メタルボタンの個体があるのも前期

M-47前期フロントボタン写真
軍物フロント生地製造国
フランス軍ボタンフライ綿100(ツイル)フランス

70年前でさらに軍物なのでサイズのブレが大きいので、ヴィンテージの平均値を割り出してみます。

ネットに出ている前期オリジナルの“デッドストック”23本のサイズをサンプリングしてみました。

実際の数値は最後に載せています。➡︎【前期型ヴィンテージサイズ一覧】

個体差や採寸者の計測法でもバラつきますが、買う時は数値をかならず確認しましょう。

傾向を見るために強引にまとめるとこんな感じ。本当に参考程度に。

前期デッド
サイズ
ウエスト股上股下渡り裾幅
31803474.530.524.5
338634.532.525.5
35923577.534.526.5
379838.536.527.5
391048441.528.5
*ヴィンテージデッドの23本の数値を強引に平均化

レギュラーな現行デニム501と比べると太さが分かります。
参考値)501(30インチ)➡︎ウエスト82cm|股上28.5cm|裾幅20cm

股上は深く、全体に太めなのがわかります

M47ディテール【後期】特徴

前期よりも入手難でプレミア化している後期モデル。

ファッション的には着やすい後期。生地の質感やシルエットで定番的に穿けるモデルです。

比較的小さいサイズは出回っていますがプレミア価格です。

後期型【ヘリンボーン素材】
ニシンの骨に似ているからこの名前。

M-47後期ヘリンボーン写真

後期型【ボタン】
1〜2個。意外と2個も多いですね。

M-47前期カーゴ画像
軍物フロント生地製造国
フランス軍ボタンフライ綿100(HBTヘリンボーン)フランス
*HBT(ヘリン・ボーン・ツイル)

同じくヴィンテージのサイズ感を見ていきます。

ネット上から25本ほどピックアップしました。前期と比べ大きいサイズはほとんど出回っていません。

一覧は最後に載せています。➡︎ 後期型ヴィンテージサイズ一覧

M47サイズ表記説明画像
後期デッド
サイズ
ウエスト股上股下渡り裾幅
31807632.523.5
33867734.524.5
359225.5
379826.5
*-は数値がバラつきすぎて平均が出せませんでした。

平均値を強引にまとめると、もともとの設計値はこの辺りでしょうか。

バラツキすぎて傾向がほとんど掴めないですがウエストは前期と近く、裾が少し細いです。

参考にリーバイスレギュラー現行501のサイズ感
501(30インチ)➡︎ウエスト82cm|股上28.5cm|裾幅20cm

前期よりはテーパードですがワイドパンツの範囲です。

M47デッド【前期&後期】サイズ資料

【前期/後期】ヴィンテージサイズ実寸値

前期型23本/後期型25本の実寸数値です。
M47の古着を探す時のおおまかな指標にはなるかと思います。

*洗いで縮む前のデットストック(未使用)で販売されているヴィンテージの数値です。
*股上は採寸箇所や方法でバラツキがあります。

前期
デッド
ウエスト股上股下渡り裾幅
31828124
23803676.53323
238435713431
238232753125.5
3388336532.520.5
3388367732.526
3388367732.526
4384348332.526
2584347032.527
25947727
3590367835.526
3594347627
35923676
359378
45923581.535.526
459485
3798397936.528
379637783927
379038.577.5
4798398436.528
4798398436.528
291063574
39106357841.528.5
*股上は採寸者によりちがうので参考程度に。
後期
デッド
ウエスト股上股下渡り裾幅
1180703125
2176347032
21783170
218032733523.5
318027.5763120
3176337324
3174337222
317837.580
3174337222
317837.580
31808124
318027.5763120
4178358525
237934693323.5
238634743424
238939.57435.526
2389307623
3384357733
3386308023
3389317925.5
438427.58332
438833793626
4594328824
4594346626.5
2799367726.5
*股上は採寸者によりちがうので参考程度に。

【前期/後期】ヴィンテージサイズ平均値比較

強引に出した平均値を比較してみます。

個体差でバラバラなので一概にはいえませんが、裾は後期の方が細めでテーパードの印象。

古着の在庫が前期は大きいサイズばかりなので、型紙以上にワイドな印象があるのかもしれません。

前期デッド
サイズ
ウエスト股上股下渡り裾幅
31803474.530.524.5
338634.532.525.5
35923577.534.526.5
379838.536.527.5
*前期デッド23本の平均値
後期デッド
サイズ
ウエスト股上股下渡り裾幅
31807632.523.5
33867734.524.5
359225.5
379826.5
*後期デッド25本の平均値

ウエストを80cm同士を比較

ウエスト股上股下渡り裾幅
前期デット31平均803474.530.524.5
後期デッド31平均807632.523.5

ちまたで言われてる通り前期はワイドストレート。後期はワイドテーパード。

【結論】ちまたで言われている通りですが、ヴィンテージはバラツキがヒドイです。

前期/後期はサイズでは判断せず、都度数値で判断するべきですね。

M47ヴィンテージ購入の注意点

サイズのズレとサイズ展開

【検証の結果】70年前のヴィンテージ&軍物のサイズはアテにならないです。

そして、サイズピッチは5cm刻み。これは1サイズ違うと今のパンツで2.5サイズ違うのと同じです。

キッチリ個体ごとに数値を確認しないと失敗する確率が増えます。

M47カーゴの本来の良さは「キレイなシルエット」でした。

1サイズずらすだけで大幅にシルエットが変わります。

前期/後期の違いは見分けやすいですが、個体のサイズの違いも気にした方が良さそうです。

今はワイドシルエットが主流なので大丈夫ですが、ワンサイズ上を買うとすぐ穿けなくなりそう。

オリジナルにこだわるなら、マイサイズを根気よく探すしか無さそうです。

「サイズのデータベース化のススメ」

サイズは数値で管理しないと失敗しやすいです。

リンク先でサイズのデータベースの作りかたを紹介しているので参考にどうぞ。

ネット含め、買い物でのサイズの失敗は大幅にへりますよ。

服のサイズ測り方【業界標準】買い物での失敗が減ります!

偽物?

偽物かどうかを気にする方が多いようですが、ミリタリーはブランド物でも無いですし、レプリカならそう言って売っているのですぐわかります。

先日ベトナムに行った時に古着を見に行きましたがレプリカとヴィンテージが混在していてなぜかレプリカをよく勧められました。その時判断したのはネーム関係。レプリカは真新しくネーム関係まで加工することはありません。真新しいネーム=レプリカです。

M47フレンチカーゴ 前期/後期 違い |まとめ

M47ヴィンテージについて一通り理解していただけたと思います。

ヴィンテージはやはり難しいですね。マーケットが過熱しているとなおさらです。

以前は、気にせず買えましたがこれだけ高騰すると気軽に手が出ません。

マーケットが過熱していると、とにかく“M47”が欲しい!となりますが、最初の

「シルエットがキレイだから」の本質の部分は忘れないようにしたいですね。

私はどうしてもヴィンテージじゃなきゃ!って年でもないのでレプリカでも良いかって感じです。

匂いや汚れのほうを気にしないといけない年齢になってきましたし…。

みなさんのベストサイズなM47が見つかることを祈っています!

それでは、分からないこと、質問等あったらコメント欄からどうぞ。

MARU



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M47パンツキャッチ画像

下記ではM47フレンチカーゴを使ったクローゼットでコーディネートを組んでいます。

定番アイテムで組んだ効率の良いクローゼットはこちら
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MARU

20年ほどファッションデザイナーをやっています。
ここではオシャレに必要な最小限のアイテムを厳選して紹介。
これだけ揃えれば服選びは終わりにできるかもしれません。

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